三条商店街から猪熊通をちょっと下ったところにあるこの店、商店街からは見えにくい場所にあるので、僕も知人に教えられるまで、存在に気付かず、他のお客さんも初めて来ると、今まで気付かなかったと言う人が多いそうだが、まさに隠れた名店だ。
マスターは洋食屋で10数年修行して、この店も基本は洋食屋なのだが、店を始めるにあたって、幅を広げたいと思って、居酒屋にも3年勤めたりして、今日はたまたま洋食らしいメニューだが、和食を出すことも多いそうだ。日替わりのランチは700円、ディナーも基本のコースが1,380円という、洋食屋としてはかなりのお手頃価格。
落ち着いた、ちょっとおしゃれな店内。マスターはたぶん40代、ほんとにいい人で、午後1時過ぎに行って他にお客さんがいなかったので、こちらの長話にきちんと付き合ってくれた。それにていねいなサービスをするオネエちゃん。
頼んだのは牛スジカレーポークカツのせ、980円。まずはキャベツとお米のポタージュスープとサラダ。お米のポタージュとは初めて食べたが、さらりとした飲み口。きちんととられた濃厚なだしの味がする。サラダのドレッシングは醤油味だが、いろんな野菜をすりおろしたものがたっぷり入っていてコクがある。もうこのスープとサラダを食べた時点で、マスターの仕事ぶりがわかる。
いよいよカレー。これはすごい。超本格的。ドミグラスソースを作るときに、それを流用してカレーソースも作るのだそうだが、牛肉や野菜、それにワインの濃厚な味がして、惜しげもなく材料を使っているということがはっきりわかる。とろとろの牛すじも、まじ、というくらいの量が入っていて、これを980円で出すのはすごいな。けっこうな厚みのあるポークカツも、ぷりぷりに揚がっている。
オープンして7年になるこの店を、まだ知らない人が多いというのはほんとにもったいない。クチコミサイトにも、最近までページすらなかったようだし。マスターはあまり商売っ気のない人みたいで、三条商店街沿いに看板を置いたらいいのに、なんだかんだとためらっているみたいだった。料理が好きで、料理のことを考え、作ることが幸せ、という人なのだろうな。
Kiraku (レストラン(その他) / 二条城前、大宮、四条大宮)
★★★★★ 5.0