2010-07-21

御食事処 おかだ

家の近くにうまいとんかつ屋があるという噂を聞きつけ、ここだろうと目星をつけて入ってみたら、たしかに近くにとんかつ屋はあったが、もう10年くらい前につぶれたとのこと。と聞いて立ち去るのも何なので、仕方なく食べることにしたこの店、70は超えるだろうというおばちゃんと、たぶんその娘さんと二人でやっていて、始めて44年になるという。

いわゆる食堂、夜は酒も出すという店、カウンターにはおかずが所狭しと並んでいるのだが、よく見るとこれが、絵に描いたようなおばんざいなのだな。おばんざいを安く食べさせる店を探したこともあったが、この店は食べログにも登録されておらず、御食事処とおばんざいというのが、僕の悪い頭では結びつかなかったこともあり、まったくのノーマークだった。

「おばんざい定食」というのがあり、魚ともう一品好きなのを選んで750円。

焼き魚も色々あったが、サバの生姜煮を選んでみた。こっくり味がしみている。

青唐辛子とじゃこの炊いたん。どういうふうに炊くのか興味があったのだが、意外にくたくたになるまで炊くのだな。

酢の物。定食にはほんとは一品なのだが、半分量を半額で追加してもいいと言われて頼んだら、結局サービスしてくれた。かなり甘めの仕立て。

どのおかずもやわらかくてやさしい、まさにおふくろの味。ご飯も当然やわらかめ。たまらんわ。

ほかにもなすの炊いたんやひじき、肉じゃがなど、かなりそそられるものが並んでいたが、さすがに一度に全部は食べきれない。

コーヒーもついてくる。顆粒タイプかな。

おばちゃんは豪快で、毒のある言葉をずばずばと吐く、完全なるおっかさん。おばんざいを作るのに興味があると言うと、教えてあげてもいいけど、同じようにはできないと思うよ、40年かかるから、とのこと。ごもっとも。

11時半の開店時間になると、古ぼけた看板をおばちゃん、近くの通りに自分で立てに行くのだが、この立て方、誰に向けているのかどうも不明。歩道でなく、車道に向けているから、車で通りがかる人に見せようとしているようだが、前に駐車中の車はいずれいなくなるとしても、車から見るなら大きな字ではっきり書いてあったほうが良さそうなのに、それをわざわざ貼り紙で隠してしまっている。

なんとホームページもあったのだが、あまり稼働していない模様。しかもいちばん大事な場所とか連絡先とか、全然書いてない。

そういう憎めない人だということなのだ、ここのおばちゃん。


おかだ 定食・食堂 / 四条大宮駅大宮駅二条城前駅
★★★★★ 5.0