2010-03-20

壬生相合町 「珍元」

家から程近いところにある、街の中華そば屋。ご主人と奥さんと、娘さんとで、店番をしてた。
ここはずいぶん前に、伊丹十三と宮本信子が来たそうで、古びた色紙が飾ってある。ちょうどその頃、伊丹十三は、映画「タンポポ」の構想を練っていたのだそうで、タンポポはラーメン屋の話だから、こういう街のラーメン屋を、いろいろ取材していたのかもしれないよな。
伊丹十三の色紙には、
どの花も
それぞれの
ねがいが
あって
さく
とあった。詩人だな。
宮物信子の色紙は、
花はいろ
月はひかり
だった。
ラーメンは、だしは鶏ガラじゃないかと思うが、京都の人は、これは返すがえすも、ほんとに不思議だな、鶏ガラに醤油だけだとあっさりしすぎているということなのだろう、テーブルにも置いてあるのだが、自家製らしきニンニク味噌があって、それを醤油のタレといっしょにどんぶりに入れていた。
薄味のイメージがある京都の人が、ラーメンについては濃い味を好むということは、まだどういうことなのか、よくわからないな。
昔ながらの店に独特な、ひなびた、透明な空気が満ちていて、こういうところでビールを飲んで、ラーメンを食うというのは、一つの儀式ともいえるよな。
ラーメン450円、ギョウザ250円、ビール小瓶330円。
珍元 (ラーメン / 丹波口)
★★★☆☆ 3.0