2009-05-19

南区翠 「麺の家 こりく」

わりと新しい店なのだと思うが、店主が「我馬」と「麺屋元就」で修行したということでブログでも話題になっているし、先日知人からも「旦那がおいしいと言っていた」と聞き、これは行ってみなくちゃと思っていたのだ。

メニューは基本は4種類のラーメン。

いちばん基本と見られる「とりとんこつラーメン」を注文することにした。

630円。
安いな。

僕は先日「与壱」に行って、今回ここに来て、わかったことがあるのだが、一風堂とか我馬とか、麺屋元就、歩いていこう、そしてここ、こりく、「ニューウェーブ系ラーメン」とでも呼びたくなる、共通した特性があると思う。
要は化学調味料を使っていないんだな、たぶん。
与壱でラーメンを食べて、まあおいしいのだけれど、スープの味にちょっと締まりがないように感じたのだが、これは化学調味料を入れていないからだと思ったのだ。
化学調味料をなぜ古いスタイルのラーメン屋が多用するかというと、たぶん化学調味料というものが、ただうまみを増すということだけではなくて、コショウとか唐辛子とかと同じように、スープの味を全体として、強力に一つにまとめる役割を果たすということなのではないかと思うのだ。
新しいラーメン屋達は、化学調味料を使わないと決めることで、それでは化学調味料なしに、どう全体のまとまりを付けるのか、という問いに直面した、ということなのじゃないかと思うのだよな。
それが、チー油っていうんだっけ、そんな新しい調味料を色々使ってみたり、また肉と魚の両方のだしを使ってお互いの足りない所を補ってみたり、というような、様々な試みを生み出しているということなのじゃないのかと。
今は時代としても、アメリカというこれまで強力に世界を一つにまとめてきた存在がゆらぎ、たくさんの国がどう、互いに協調しながら世界が一つにまとまって行けるのか、というところなわけだから、まさに現代的な問いだよな。


そういうたくさんの試みの中で、この店が特徴を出せているのかどうかはよくわからないが、このとりとんこつラーメン、昆布でも入れてあるのかなと思わせるちょっと魚介の風味のする濃厚なスープと、わしっとした広島風の中細麺、なかなかうまかった。

こりく (ラーメン / 県病院前、宇品二丁目、広大附属学校前)
★★★★ 4.0