2009-04-21

薬研堀 「ラーメン はらちゃん」

春はラーメンの季節。
昼夜ラーメンでも、なんのその。

はらちゃんは、薬研堀ピンサロ・ソープ街のど真ん中に位置する、まさに夜のラーメン屋。
でも夜の蝶達が立ち寄ったりは、あまりしないらしい。

言うまでもなく、まずビール。

そして牛すじ煮込み。
味噌味でピリ辛。
韓国唐辛子をかけるとなおイケる。

メニューは意外な充実振り。
つけ麺や、刺身もある。
50代と思しき大将は、この店を始めて21年。
以前はサラリーマンをしていたが、母親の介護のため、自分の家を生かし、自由の利く仕事をということで、この道に入ったそうだ。
見よう見まねで作り始めたラーメンだったが、安い値段の6割もの材料費を使い、きちんとしたものを出すことで、この厳しい時代でも生き延びて来られていると自負がある。
牛すじも、安い外国産ではなく、国産牛を使っている。

さてそのラーメン、なかなかうまい。
濃い目の醤油味、それに負けないだしのコク。
臭みのない豚骨だしに、たぶん他にも色々入っているのだと思う。
スープを飲み干したい所だったが、かなり大きなどんぶりに、スープがなみなみと入っているので、それは叶わなかった。

麺は広島中華そばの定番、細め硬めのストレート。
チャーシューが、これまたすごい、けっこう分厚く、でかいのが、3枚も入っている。
あとは支那竹、細もやし、青ねぎ。
支那竹は高くても、省略しないのが心意気だ。

大将、何度かテレビの取材も申し込まれたが、全部断っているのだそうだ。
知らない客が増えて、常連さんが来られなくなると困るから。
白めしもあるが、3合しか炊かないので、一見さんには出さない。
食べる人は決まっているのだ。
薄く広くの世の中で、ピンサロ街の真ん中に、自分を確かに保った店が息づいている。
自分を保つということが、相手を生かすということなのだよな。

はらちゃん (ラーメン / 銀山町、胡町、八丁堀)
★★★★ 4.0