2008-12-18

広島己斐 お好み焼き 「ちこの店」


Webで「この店がアットホームで良い」というのを見かけたのである。
西広島の駅の北側にあるのだが、僕の家は南側、考えてみたら北側には一度も行ったことがなかったのだ。
北側にはあまり店がなく住宅街になっているということと、山になっていて自転車で行くのはちょっと大変そうというのが理由なのだが、最寄り駅の反対側に一度も行ったことがないというのは、人間としてまずいだろうと前々から思っていた。
うそだけど。

この店を地図で調べたら、まあそれほど山でもないかなと思ったのだが、実際行くといやまいった、自転車では上がっていけない急な坂を、自転車を押しながら延々と登らなければならない。
息は切れるし疲れるし、途中で断念しようかとも思ったが、いやここまで来て引き返しては男がすたると思い(これもうそだが)、なんとか店に到着したのだった。

ママが一人でやっているこじんまりした店。
びんビール、小びんにしようかとも思ったが、「焼けるまで20分かかります」とのことだったので中びんを注文。
永遠の女学生、というとそこまで年じゃないと思うが、いくつになっても若いままという感じの可愛らしいママで、「私はお客さんとなかなか話せなくて」と言いながらも色々話してくれて楽しかった。
やっぱりママ一人で店をやっていると、男一人の客は多少緊張したりするところもあるんだろうな。

22年前にこの店を始めたのだそうだが、熊野にあるという店で3日間習って、4日自分で練習して、それでオープンしたのだそうだ。
しばらくはなかなかうまく焼けなかったが、1年位してようやく自分でも納得できるようになってきた頃、開店からずっと来てくれていていたお客さんに、「初めはどうなるかと思ったけど、ようやくサマになってきて良かったね」と褒められたのだそうだ。
地域のお好み屋って、そうやってみんなで応援するんだよね。

麺は中に入れる焼き方なのだが、一時麺を上にのせる焼き方がはやった頃、自分もそうしてみたことがあったそうだ。
そしたらしばらくしてから常連のお客さんに、「ママ、前の焼き方のほうが良かったよ」と言われて、それからはもう迷うことはなくなったとのこと。
ほかのお好み店を食べ歩いたりもしているみたいで、己斐の店についてはけっこう詳しかった。
勉強熱心なんだな。

と色々話を聞いてるうちにお好み焼きが完成。


そば肉玉620円。

出来るまでほんとに20分くらいかかっていたが、かなり長い時間蒸し焼きにするので、キャベツがほっくりしている。
この手の店としてはかなり時間をかけるほうじゃないだろうか。
紅しょうがをトッピングするのが、ほどよいアクセントになっている。
玉子も半熟加減になっていて、全体としてふっくらほくほくの、可愛らしい感じ。
やっぱりお好み焼きは、焼く人の人格がそのままでるよね。

ちこの店 (お好み焼き / 西広島、広電西広島(己斐))
★★★☆☆ 3.0