2008-12-15

広島己斐本町 ラーメン 「げんこつ屋」


この店は僕の家からもっとも近いラーメン屋なのだが、今まで行ったことがなかったのだ。
東京にも「げんこつ屋」というラーメン屋があり、20年くらい前だろうか、勤め先の渋谷にも店ができてけっこう通っていたのだが、最近聞かないなと思っていたら去年倒産したのだそうだ。
広島に来て東京のラーメンを食べてもな、と思っていたのと、一時は横浜のラーメン博物館にも入ったような店の凋落を見たくないと思ったというのが理由だった。

しかし周りの飲食店もけっこうひと通り行きたおした今、これ以上捨ておくわけにはいかないと今日は決死の覚悟で出かけて行ったのだが、広島のげんこつ屋は東京のげんこつ屋とは全くちがうラーメンを出す店だった。
「広島しょうゆとんこつラーメン」を出す店だったのだ。
なんだそうだったのか。
ちょっと拍子抜け。
東京のげんこつ屋と関係があるのかないのか知らないが、ちがう店だと考えれば良いのだから気がラクだ。
そもそもラーメン屋ごときで決死の覚悟をしなくても良かったわけだが。

というわけでまずは生ビールとぎょうざを頼んでメニューを点検。


「これが元味だ」という「げんこつラーメン」のほか、「魚系とんこつラーメン」「あっさりしょうゆにぼしラーメン」などがある。
東京のげんこつ屋も肉系の出しに魚系の出しを混ぜるのがウリだったから、やっぱり元々は関係あるのかもしれないな。
そのほか「広島激辛つけめん」や「激辛汁なし担担麺」などもあり、とにかく完全に広島に根拠をおいたメニュー構成になっている。
しかし初日の今日は、「元味」という「げんこつラーメン」を注文することに決定。


生ビール450円。
やっぱり夜はビールは飲まないとね。
昨日飲まずに失敗したし。
と何でも酒を飲む口実にしてしまうわけだが。


ぎょうざ380円。
このぎょうざ、意外に悪くなかった。
よくラーメン屋のぎょうざはあまり肉の気配を感じないのがあったりするが、ここはわりとしっかり肉の存在感があった。

そしていよいよ、


げんこつラーメン550円。

完全に広島ラーメン。
醤油とんこつのかなりこってりしたスープに、具もチャーシュー、細もやし、青ネギ。
ただ違いは、スープがちょこっと魚系の出しで割ってあると思う。
やっぱり「げんこつ屋」のDNAなのかも。

でも肉系の出しを魚系の出しで割るのってどうなんだろう。
変わった味がするのは確かなんだけど、あんまり積極的な意義を感じないんだよな、僕は。
尾道ラーメンもあまり好きじゃないし。
よくホテルのシャワーなんかで調子が悪いと、温度が温かくなったりぬるくなったりするときに、水とお湯が分離したような感じがすることがあるけど、あんな感じで肉系と魚系の味が調和せず、バラバラのままのような感じがするんだよな。

卓上ににんにくが置いてあるので、


これをがっぽり入れるとまた違うのかも。
韓国とか、肉と魚の出しを混ぜて使うもんな。

あとこのラーメンがオーソドックスな広島ラーメンと違うところは麺。
かなり細い麺を使っていて、ちょっと九州ラーメンみたい。
でもこれもどうなんだろう。
細麺であることの意義をあまり感じなかった。

全体としてオーソドックスな広島ラーメンから何とか離脱して、新たな特徴を身につけたいと試行錯誤しているのは感じるのだが、イマイチぴんとくる感じではなかった。

まあでも悪くはない味ではあったので、家から近いことでもあるし、また他のメニューをいくつか試してみても良いかなとは思った。

げんこつ屋 己斐店 (ラーメン / 東高須)
★★★☆☆ 3.0