この店のお好み焼きは一風変わっている。
肉玉そば720円。
(新町焼きという名前が付いていた)
まず麺は普通よりかなり細いものを使っている。
それをラードを加え、平らにのばして表うらじっくり焼いていく。
それからキャベツ。
かなり大きく、「ざく切り」という感じで切っていて、火を通すときしばらく蒸してから皮を剥がし、焼きそばでも炒めるように、コテですくい上げては混ぜといったやり方をする。
そしてそれをまとめて皮をもどし、またしばらく蒸す。
まあしかし味は普通のまずくはないお好み焼きという感じで、存在感のあるキャベツと細い麺の歯ごたえが他とは多少ちがうが、根本的なところで何か新しさを感じさせるわけではない。
店主は11年前にずぶの素人からこの店を始めたそうだが、たぶん「他とはちがった特徴を出したい」という観点で焼き方を考えたのだろう。
「素人だからこんな焼き方が考えられたんです」という言い方をしていた。
あくまで「他とちがう」ということが目標で、現在のお好み焼きについて何らかの課題を受け止め、それを解決しようとすることの中で見つけた焼き方というわけではないのだと思う。
まあしかしそれはそれで商売の一つのやり方であり悪いわけではもちろんない。
値段が720円とこの手の地域の店としてはかなり高めだが、牛筋煮込みやアキレスやテールの鉄板焼きなど酒のつまみを充実させ、居酒屋的な利用ができるようにしている。
居酒屋の方が客単価が高いからな。
店も小ぎれいで洒落ていて、また店主や店員の感じもよく、全体として商売上手ということなのだと思う。
お好み焼き古江 (お好み焼き / 古江)
★★★☆☆ 3.0