2008-10-03

北広島町 お好み焼き 「三八松浦」


この頃どうも、三八中毒にかかったようなのだ。三八とは東雲本町にあるお好み屋の名前だが、僕の場合、ってほかに三八中毒の人がいるのかどうか知らない訳だが、三八のお好み焼き、および三八と同じ焼き方をしている店のお好み焼き、の中毒である。三八の焼き方は「オールドスタイル」と呼ばれることがあるくらいで、似たような焼き方をする店はそれこそ無数にあるのだが、徹底的に同じなのはここ「三八松浦」、祇園の「きさや」、それからもちろん本家三八、他にあったら教えてくれ、多分ほとんどないんじゃないかと思う。

三八の焼き方とは、鉄板に生地を丸く伸ばしたら、まずすぐにその上にソースで味を付けたソバを載せてしまう。それからたっぷりの極細キャベツ。ほかにも色々のせてひっくり返し、しばらく蒸したらアイロンでキャベツの水分が鉄板で「ジュー」と音を立てるくらい押し付ける。これによってキャベツがほっくりやわらかくなるのと同時に、ソバのソースがキャベツにほんのり味を付けるのである。キャベツの水分がソバまで上がってそこに付けられたソースを溶かし、それがまたキャベツに戻るのだ。このみずみずしさを保ちながらもほっくりした、ほんのりソース味の極細キャベツが何ともおいしいのである。

しかしこれを本当に実行するのは並大抵ではないのだ。そばをキャベツと一緒に蒸し、キャベツの水分が溢れ出すまで押し付けてしまうと、そのままだとそばがふやけ、のびたラーメン状態、とても食べられたものではなくなってしまう。そこで三八では毎朝6時から、ソフト麺を炒め、ソースと天かすで味を付け、それをさまし、さらに冷蔵庫で冷やすという下準備をする。それによって麺はキャベツの水分にさらされても、必要な固さを保つことができる。あのキャベツの味を出すためにそれだけの手間をかける訳で、そこまでやろうという店はなかなかないのである。

さてこの三八松浦、三八系列の店の中ではかなり良いとの評判を聞き、北広島町まではなかなかチャリンコでは行くことができないので、出張の機会を利用して車でやって来たというわけだ。鉄板を見るとたしかに下準備したソバがトレーに入れて置かれている。


三八ではソバは鉄板にじか置きだが、それだとあまりにカリカリになってしまったりするので、多少工夫したのだろう。これは期待できそうである。


そば肉玉シングル600円、ねぎかけはサービス。

うーん、このお好み焼き、たしかに期待通りの味。もう最高。本家よりおいしいくらいだ。みずみずしくかつほくほくした、ほんのりソース味の極細キャベツ、また書いてしまったが、これを味わうことの幸せと言ったらない。ぼくはぜひともこの「三八松浦」そして「きさや」の店主に言いたい。きちんと弟子を取り、この味を広めてくれ。

三八 松浦 (お好み焼き / )
★★★★★ 5.0

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