この冷麺800円はうまかった。しみじみおいしいなー、と思う味だ。
考え方としては、広島つけ麺(これは広島では冷麺と呼ばれる)と韓国冷麺を合わせたようなもの。麺は細めで張りのある中華麺なのだが、それをつけ汁につけて食べるのではなく、汁が上からかかっている。その汁というのが、完全にあの韓国冷麺の汁。具はチャーシュウ、きゅうり、レタス、トマト、ゆで卵と、広島つけ麺とも共通するサラダ風。ゴマをふりかけ、カラシが添えられている。 特筆すべきは広島つけ麺でも韓国冷麺でもふんだんに使われる唐辛子が、一切入れられていないこと。冷たくて酸味のある汁で、ラーメン入りのサラダを食べる、そんな感覚だ。
麺が何ともおいしい。食べた感じは細くて素麺にも似た感じなのだが、しっかりラーメンの味がする。それに爽やかな汁がよく合って、さらに具との相性もいい。ここの冷麺はこの店のオリジナルだろう、僕は初めて食べる種類の食べ物なのだが、何故こんなおいしいものが世の中でもっと知られていないのか、まったく不思議だ。
広島の冷麺には、新華園・
冷めん家などの中華系、
ばくだん屋などの和風系があるが、この川乃屋はいわば韓国系。しかし僕は、これがいちばんおいしいと思う。八丁堀の裏通りにある、言っちゃ悪いが朽ちかけた店。昼時などはサラリーマンなどで一杯になるというが、チェーン展開したりとかしても結構いけるのじゃないかと思う。でも店主にその気はないのだろう。広島の名店はだいたい、商売には無関心なのだ。
冷麺 川乃屋 (ラーメン / 八丁堀)
★★★★★ 5.0
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