地域にあるお好み焼屋は、都市部の店が、基本的に新規の観光客を相手にするのとは全く違い、地元の人たちに好かれ、常連として繰り返し来てもらえる、ということでなければ商売にならないだろう。だからただお好み焼の味がどう、ということだけではない、サービスのあり方が問われることになる。店主の人格そのものも重要な要素となるだろうから、実際個性的な店が多い。
この店のおばちゃんは72歳だそうだが、飄々とした感じで自分の過去やら、お客さんのことやら、話し続ける気のいい人。店は始めて10年だそうだが、その前はご主人の経営する土建屋で一緒に働き、小柄な感じなのだが、ダンプも運転していたそうだ。
お好み焼だが、これがすごい。
そば肉玉。これでもか、というぐらいに盛られた大量のキャベツ、そして最後に、青ネギのトッピング。それで驚きの550円。
赤字でしょう、と聞いたら、キャベツとネギは、畑で自分で作っているとのこと。退職したご主人が主に担当しているらしい。中に輪切りのレンコンも入っていて、超お腹いっぱいになった。
レギュラーサイズの発泡酒も置いてあり、これが200円。しかもその値段でお通しまで付いてくる。750円でビールにお好み焼、これは世界一安い店だと思う。
猫を拾った話やら、犬をもらった話やら、常連のお客さんが子供の写真を成長するごとに持ってくると言って、それがべたべた貼ってあったり、リストラされたという一見のお客さんにただでお好み焼きを食べさせ、家族の分まで持ち帰らせ、三万円まで持たせたが、連絡がないと嘆いてみたり、まぁまぁ、話は尽きない。
店というより、自分の家かと錯覚する、そんな場所が広島にはたくさんある。懐の深い街なのだと思う。
お好み焼き じゃんぷ082-273-3020
広島県広島市西区高須1-4-7
広島ブログ