2013-09-02

鍋はひとり酒には最高なのである。

昨日は少し涼しくなったから、気が早いぼくは、早速鍋がやりたくなった。

昨日の晩酌 鶏の水炊き

鶏の水炊き。

一人暮らしで酒を飲むには、やはり鍋は、最高なのである。



作家の池波正太郎が、やはり鍋が好きで、晩酌には毎日のように、
小さな鍋を自分で突付きながら食べる「小鍋立て」をしていたことは知られているが、
「鍋のよさを上げろ」と言われれば、実際のところ切りがない。

まずは「手軽だ」ということがある。
材料をただ煮るだけだから、支度にもさほど時間が掛からない。

また、鍋はうまい。
これは「煮え立て」を食べるからなのだと思うが、
他の料理にはない、圧倒的なうまさがある。

「自由だ」ということも上げられると思う。
こんなに簡単なものでありながら、食材や味付けの組み合わせに無限の可能性
があり、しかもルールが決まっているわけではないから、誰でもが、
自分の好きなやり方で楽しむことができる。



しかしぼくが、もし「鍋のいいところを一つ上げろ」と言われれば、
「鍋は日本人の心だ」
と答えると思う。

昔、家に囲炉裏があった頃、食事といえば、囲炉裏をかこんだ鍋だったろう。
暗い家の中、照明も兼ねた囲炉裏の火を家族みんなで眺めながら、
鍋が出来上がるのを待つ。
これが日本人にとっての食事の原風景だったに違いない。

その太古の記憶が、今に引き継がれているのが「鍋」なのである。

だから文明が発達し、囲炉裏が姿を消してからも、
鍋は形を変えながらも、生き残り続けてきた。
江戸の町家では火鉢に、現代の食卓ではカセットコンロに掛けられても、
鍋は日本人の食卓の中心であり続けている。



したがって料理の初心者が、もし「和食」を学びたいと思ったら、
鍋を研究することほど打ってつけのものはない。
全ての和食は、鍋料理からの派生である。

鍋は和食の基本中の基本であり、
和食の全てがそこにあると言っても決して過言とはいえない。

あまりに簡単に出来るため、「手抜き」と見られることも少なくない鍋だが、
実は探求すれば、果てしない奥行きを持ったものなのである。



とまあ、鍋には激しい思い入れがあるため、演説をぶってしまった訳だが、
昨日の鶏の水炊きも、作るのは簡単である。



鍋にだし昆布とたっぷりの酒、それに水を張って、火にかける。

鶏水炊きの作り方(1)

酒はたっぷりであるほどうまく、できればコップ1杯くらい入れたい。

ちなみにぼくは、「鍋にはフタをしない方が楽しい」という意見である。
お湯が沸いたり、材料が煮えたりするのを見られるからだ。

また火加減も、決して強火にはしない。
弱めの火でゆっくりと沸かし、のんびりとした時間を過ごす。



鶏水炊きの材料は、鶏肉と豆腐、長ねぎはマストだと思うが、
あとは好きなものを入れればよい。

鶏水炊きの作り方(2)

昨日はゴボウとニンジン、シメジを入れた。

白菜は、あれば入れるが、なければわざわざ買ったりはしない。



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鶏肉や豆腐、ゴボウやニンジンなど煮えにくいものから入れ、
そのあとネギやシメジを入れる。

鶏水炊きの作り方(2)




タレはポン酢しょうゆ。

鶏の水炊き

一味をふって食べる。



鍋は一回に食べる分だけ煮るようにする。

鶏水炊きの作り方(3)

昨日は2ラウンド目になって腹が減ってきたので、うどんを入れた。



鍋は煮るのに時間がかかるから、その間に摘めるものを用意しておく。

オクラ納豆とナスの塩もみ

昨日はオクラ納豆とナスの塩もみ。



酒は鍋の場合、圧倒的に日本酒が合う。

鍋には圧倒的に日本酒が合う。




残り汁は、言うまでもなくご飯を入れて雑炊にするが、
それは今日の昼めしにする予定で、まだ食べていない。

鍋はこの雑炊を食べ終わった時点で、終了ということになる。



「まだちょっと暑かったけどね。」

チェブラーシカのチェブ夫

エアコンは必須だな。