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2011-04-01

池波正太郎のお母さん流すきやき

原発の問題もようやく先が見通せるようになり、ってそんなこというと、まだまだ大変じゃないかって怒ったりする人ももしかしたらいるのかもしれないが、枝野官房長官も記者会見を防災服からこれまでどおりの背広姿でするようになったとのことだし、ツイッターの雰囲気も心なしか、安堵感がただよっているようにもみえる。
だいたいフランスとアメリカの原子炉処理の専門家が、対策を話しあう時点からきちんと加わり、またアメリカの原子炉処理の特殊部隊100数十名が、近くで待機して万が一のばあいにはいつでも出動できる態勢になっているというのだから、もちろんこれから、まだまだ放射能が漏れ出したりとか、色んなことがあるとは思うけれども、とりあえずはその人たちに任せるということで、こちらがもうこれ以上気を揉む必要はないだろう。

それにしても枝野長官があれだけ連呼した「専門家」の人たち、「原子力安全委員会」ということだと思うけれど、ほんとに使いものにならなかったな。昨日テレビで、「いまさら」という感じで記者会見やっているのを見たけれど、
「国際基準では地表の放射線を測定するけれど、自分たちのやり方は農作物などを直接測定していて、そのほうが人体にあたえる影響を正確に測れる」
とかいっちゃって、「いまさらそんな小さな自慢をしてみたって仕方ないだろう」てなもん、学者のつまらないプライドを垣間みたようで、まったくアホかとおもった。
雑誌やネットでは「御用学者」とよばれているが、原子力というのは政府が国策として導入したもので、「絶対に安全だ」というふつうに考えたらあり得ないことが、政治的に「正しい」ものとされ、それに賛成する学者だけが資金を与えられ役職に登用されとなっていったから、こういう頭のおかしい人たちが大量生産されてしまったということなのだな。
それの反対側に、きちんとした根拠に基くことなく、ただ危険、ただ反対、という人たちもたくさんいて、原子力についてはこれまで、冷静でまともな議論はされてこなかったということなのだ。

菅総理が夕方5時半から記者会見するというので、ものごとを早めに切り上げ、急いで買い物へいって、PCのまえに待機したわけだが、僕は相変わらず菅首相は好きじゃないのだが、今日の記者会見をみると、なにかガシャッと「はまった」ところがあるみたいな感じがしたな。
話しぶりも、以前とは打って変わって自信にあふれていたし、記者の質問をきくときの顔が、菅首相というのは前はいかにも嫌そうな、「なんでオレがこんなダサい質問に答えなくちゃいけないんだよ」と思っていそうな表情をしていたのが、今日は「ニコニコ動画の七尾」という記者の質問もふくめて、きちんと受け止め、答えているようにみえたし、NHKは途中で中継をおわってしまったので、そのあとニコニコ生放送で最後までみたのだが、以前のように変なかたちで会見を打ち切るということはせず、いちおう予定時間をたしょう超えるところまできちんと質問に答え、会見をおわるというようにしていた。あとでツイッターをみたら、フリージャーナリストの「上杉隆」は、手を上げつづけていたけれどけっきょく当たらなかったと書いてはいたが。

菅首相にかぎらず政治家というものは根本的には、どこかに自分の「乗っかり先」をみつけようとしていくものだとおもうけれど、菅首相のばあいひとつはそれが「反小沢」による国民の支持ということと、また同時にやはり反小沢でまとまることにより既得権益を守ろうとする官僚や財界というところだったのだろう。代表になって早々に「消費税増税」を打ち出したのは、そういう人たちへのサインだったということなのだと思うけれど、ところがそれはマニュフェストを次々取り下げ、政権交代を支持した国民の期待を裏切るものだったから、支持率はどんどんジリ貧になってしまった。
震災が起こってもそれは変わらず、「官僚と財界」というのは、要は「経産省と東電」のことだから、この人たちのいうことを聞いてやっていたら、原発の問題は収束するどころか日々深刻になっていく。菅首相としては「乗っかり先をまちがえた」とおもったけれど、どうすることもできず、自分もいっしょに沈んでいくしかないという状況だっただろう。

ところが今回、その菅首相に手をさしのべたのが「国際社会」だったわけで、オバマ大統領やサルコジ大統領とどういう話をしたのかは知らないが、菅首相はそちらに「乗り換える」ことにしたわけだ。今日の記者会見で菅首相は、東電や国内の専門家とともに、「国際社会と協力しながらやっていきたい」ということを、高々と謳いあげていた。
その一方いっていたのが、
「原子力を今後どうするかは、まずこれまでの原子力政策のあり方、今回の事故の原因、そういったものをきちんと『検証』するところからはじめたい」
ということで、これは何度か繰り返していた。
これはまったく当然のことで、東電にしても、経産省の原子力安全保安院にしても、今回あまりに無力でダメなことが誰の目にも明らかになってしまったわけだから、その責任はきちんと追求されなければならない。
しかしこれは菅首相にしてみたらまたとないチャンスなわけで、「事業仕分け」みたいなこと、またやるのだろうな。
とにかく菅首相というのは、薬害エイズ問題のときに厚生省をやったみたいに、「人を責め立てる」のは得意なわけだから、東電と経産省を徹底的に悪者にして、ガンガンやるにちがいない。また原子力政策を推進してきた自民党も攻撃するだろう。それで国民の溜飲を下げ、自分の支持率を上げ、と計算しているのだ、ぜったい。

でもそうなると、けっきょくはこれまでと変わらず、原子力についても、またもっと広く「エネルギー問題」や「今後の日本の問題」についても、きちんとした冷静な議論ができなくなるおそれがある。
またアメリカやフランスだって、ただで助けてくれるというわけはなく、何らかの見返りを計算しているのはまちがいないのであって、それはもしかしたら、「日本に原子力技術を売りつける」ということだったりするのかもしれない。
そのあたりのこと、これからちゃんと見ていかないと、日本はふたたび、道を大きくまちがってしまうことになるかもしれないということだよな。



昨日の晩めしは、ふたたび「池波正太郎のお母さん流すきやき」。グルメシティが毎週木曜に特売日で、そこでアメリカ産の牛コマ肉を安く出すのだ。
作り方はほんとに簡単で、ジャガイモやニンジンなどの野菜を水で煮て、ちょっとやわらかくなったら牛肉をいれ、砂糖としょうゆで味をつける。以上。
だしを取ったりアクを取ったり、また酒やみりんなどを入れたりしないほうがおいしいときているのだから、まったく不思議なものだ。

これに七味をかけて食べると、けっこうたまらない。

酒は「大七からくち生もと」を2合。

今日の昼は、これを炊きたての白めしにぶっかけて「すきやき丼」。