2010-05-01

柳田国男「山人」研究のその後


昨日柳田国男の「遠野物語・山の人生」を読み終わって、柳田国男が「山人」という、山に住み、独自の生活を営んでいた人たちがかつていて、それは元々日本の先住民で、今のヤマト民族に追いやられて山に住むようになったのではないか、という研究が、その後どうなったのだろうと、この日記に書いたのだが、そしたらほほいのほいさんがコメントをくれて、
山人をトリックスターとして位置づけ「サンカ」と呼んで小説化したのが、三角寛。被差別民の一環として位置づけ、複層的な日本史を提起したのが、網野善彦。網野にインスパイアされて「化外の民」として小説に織り込んだのが、隆慶一郎。画一的な「日本社会」をさらに複層的に研究&著述しているのが、沖浦和光。というところだと、私は考えています。寺町二条の三月書房で入手できます<回し者ではございません^^
とのことだったのだ。なるほど、被差別民とのからみで発展したその後の研究があるんだ、面白いなと思い、ネットをちょっと調べてみた。

どうやら柳田国男は、上の「山の人生」を大正15年に書いたのを最後として、「山人」研究から足を洗ってしまったらしいのだな。理由として、当時の時代背景からして、日本の先住民が今のヤマト民族とは別にいて、ごく最近までそういう人たちが実際に生活していたということは、万世一系の皇国史観と矛盾するものであり、高級官僚でもあった柳田国男にとって、身の危険という意味で、到底続けられるものではなかった、と言っている人もいるらしい。

日本先住民と柳田国男

今では山人を日本の先住民だという研究は、ほとんど行われておらず、それを主張する人もいないそうだ。

山人が日本先住民であるかどうかは別として、柳田国男がほとんど触れることがなくなってしまった、「漂流民」や「被差別民」について、民俗学的に研究を発展させたのが、宮本常一で、それをさらに歴史学的に展開したのが、網野善彦。またそういう人達を「サンカ」と呼んで、小説に書いたのが、三角寛や五木寛之。

ちょっと面白そうだなと思ったので、とりあえず宮本常一の「忘れられた日本人」と、網野善彦「日本の歴史をよみなおす」を、アマゾンで注文してみた。